第28章 染まりゆく
「やり方が無謀すぎ、俺が止めてなけりゃとっくに爆発してた。しかもグラウンドの全体がな」
「…私にそんな呪力量も威力が強い術式もないよ?」
五条先輩の言葉が信じられずそうキョトンとした顔つきで見上げれば、先輩は呆れたように溜息を吐き出しながらポケットへと手を突っ込んだ。
「あるよ、お前にはそれだけの力。ただまだ上手く使えこなせてないだけ。俺の六眼で見てもお前の呪力は確かにグラウンド全体を囲ってた」
「…うそ」
「やりたいことは分かった、けどあれじゃあコントロールも何もねぇよ。まぁ馬鹿正直に呪力放出して爆破させるのも悪くねぇけど」
「俺はそういうの好きだしな」と何処か他人事のように楽しそうに笑った五条先輩はさっさと校舎の方向へと歩き出してしまう。
まぁ確かに、いつも喧嘩をするたび校舎のどこかしらを壊す五条先輩と傑先輩からしたら、私の爆発なんて可愛いものかもしれない。
「あ、五条先輩待って!教室行くの?私も一緒に行く」