第28章 染まりゆく
「せめて二種類の同時爆発くらいはさせたいな…」
いずれは数種類、なんなら時間差でのタイマー式のように爆発をさせられたら便利だ。任務でのトラップとかにも使えそうだし。
掌で弾け飛ぶ火花を見て、それらにさらに呪力を込めるとバッと空高く投げた。
「あー、やっぱり全然ダメだ」
やっぱり五条先輩って凄いんだなぁ。もちろんあの人が何の努力や考えもせずあれらを習得したとは微塵も思ってはいない。きっと誰にも見られない場所でかなりの時間を費やし研究したに違いない。
私の努力なんて…きっとそれに比べたらまだまだだ。
誰もいない広々としたグラウンドへと倒れ込む。私の爆発はなにも手で触れた物だけでは無い。足裏、腹部、背中、どこだっていいのだ。あえて言うならば、手が一番感覚としては繊細でより細かく呪力のコントロールが可能だからと今まで手に呪力を込めて来た。