第4章 感謝の気持ち
3人でこれでもかというほどパンを食べてお会計に向かう途中、お持ち帰り用のパンが目に入りそこで足を止める。
「え、エナちゃんもしかしてまだパン食べる気?」
「うーん、ちょっと買って行こうかなと思って」
「とんでもない胃袋ですね」
私を恐ろしいモノでも見るように目を見開く2人に、違うと否定したいものの、今私が考えている内容を2人に話すわけにはいかないため言葉をつぐむ。
何故なら私はこのパンを夏油先輩に買っていこうと思っているからだ。この前のお礼として、このとっても美味しかったパンを買っていきたい。
とりあえず2人には私が食べると勘違いされているものの、美味しそうに並んでいるパンへと目を向けた。
うーん、夏油先輩って何パンが好きなんだろう。五条先輩はいつも甘いものばかり食べてるけど…夏油先輩も甘いパン好きかなぁ。
イメージ的にはあんまり甘いモノを食べてる感じはしないけど。コーヒーもいつもブラックを飲んでるし。でもだからといって甘いものが好きじゃないとは限らないからなぁ。
そんな事を色々と考えながら結局お惣菜系のパンを3つ、甘いパンを2つ買った。