第27章 初めての
「甘いもん全部俺が買い占めたから」
「えっ、本当に?」
五条先輩が持ち上げたビニール袋の中身を覗き込めば、その中には大量のスイーツが入っている。
「いっぱい買ったね。そんな食べれるの?」
「食えるよ。特別にエナには分けてやる」
「良いの?」
「その代わり次の任務の報告書よろしくな」
「えぇっ、そんな理不尽なことある?というか私達なかなか一緒の任務にならなくない?」
「俺の任務の報告書」
「ん?」
「俺が口頭で言うからお前が書いて」
「うわー、それはまた絶対バレたら先生に怒られるやつ」
「バレねぇよ」楽しそうに笑いながらサングラス越しの瞳を細める五条先輩の瞳が眩しい。
夜の月明かりに反射してまるで宇宙の中を見つめているようだ。
「そう言えば、傑と喧嘩中だって?」
ジッと五条先輩の瞳を見つめていれば、不意にそんな言葉を落とされて…ハッとしたように我に帰ると五条先輩から目の前の道路へと視線を移した。
「…うん、まぁ…そう。と言っても私が勝手に怒って嫌な態度取ってた感じなんだけど…」