第27章 初めての
振り返り…たくはない。けれど無視を決め込めばそれはそれで厄介なことになるのが目に見えている。
私は「はぁ」と気付かれぬよう小さな溜息を吐き出すと、ゆっくりとそちらへと振り返った。
そこには絵に描いたように派手な男性が三人。これはある意味手強そうだ。
一番手前にいた男がこちらへと近寄ってくると、ニコニコとした表情を向けながら私を覗き込む。
「うわ、めっちゃ可愛い。当たりじゃん」
人を当たりはずれで判断するなんて、なんて幼稚で失礼な人なのだろうか…そんな苛立ちを抱えながらも、とにかく早くこの場を通り過ぎたくて「ありがとうございますー」なんてそんな曖昧な笑顔を振りまきながらコンビニはと入ろうとしたが、それはこの目の前の男によって静止させられる。
掴まれた右手。
やけに鼻に付く香水の香りが気持ち悪い。
「こんな所で一人で何してんの?」
いや、どう見てもコンビニに入る所です…それを貴方達が邪魔しているのですが…
「買い物です」
「そりゃそうか!だよね!!」
「はい、なので離してもらっても良いですか?」
「えー、それはダーメ」