第26章 極秘任務
クセになってしまいそうなほどのその甘さに溺れていくようだ。
くちゅりと音を立て、角度を変えて何度も重なり合う唇。後頭部へと回っていた傑先輩の手がサラリと私の髪を撫でたのを合図に、さらに深まっていく。
まるで全ての感覚が口先に集まっているような気さえする。
傑先輩の胸元をぎゅっと握りしめていた私の手は次第に力をなくし、気が付いた時には傑先輩が私の腰を支えてくれていた。
「…ふぁ…っ」
口から漏れる吐息、微かな声すらも甘やかで口の中の全てが麻痺してしまいそう。
トロリとこぼれ落ちる銀糸。それを当然のように拭う温かな指先。
「エナ…っ」
私の名前を呼ぶその声がたまらなく心地良い。
いつの間にか反転していた身体は傑先輩によって見下ろされていて、ゆっくりと離れていく唇を見つめながら頬が熱に染まった。