第26章 極秘任務
辺りにいた術師は、私が何をするのか直ぐ様理解したのだろう。遠く離れた位置でこちらを見つめていた。
もう上空の呪霊達はいない。
バラバラと瓦礫が地上へと落下していくのを見ながら立ちあがろうとして、ふらりと目眩がして倒れぬようにグッと足に力を込める。
「…さすがに呪力使い過ぎた」
普段ここまで大きな爆発を起こすことはない。大きな爆発を起こせばそれなりの代償を受けるからだ。だから普段は爆発と呪具を使い分けて戦っている。でも今は…そんなことなどしている暇はなかった。
「エナちゃん!!」
やっとのことで立っている私に雄ちゃんと七ちゃんが駆け寄る。
「大丈夫ですか」
「うん、平気…少しふらつくだけだから」
「無茶しすぎです」
「そうだよ!あんな大きな爆発起こしたら呪力底尽きて倒れるよ!!」
不安気に眉をひそめる二人に申し訳ない気持ちになる。だけれど私の心の中は、これで傑先輩の所に行かれるという思で迫り立っていて…
「早く、傑先輩のところに行かないと」
ふらついていた身体を起こして歩き出せば、隣にいた雄ちゃんが腕を掴んで支えてくれた。
「夏油さんのこと心配だよね、急ごう」