第3章 気付かないふり
先輩達と合同の体術授業はそれはそれはハードだった。
とくに後輩である私と七ちゃんと雄君は、もはやボロボロのコテンパンにされた。
硝子先輩も慣れない身体を動かす授業に苦戦をしていたが、何よりも凄かったのは五条先輩と夏油先輩の一対一だった。
いつも凄いと思うけれど、今日はそれに拍車がかかってそれはそれは盛大な戦いだった。
もはや授業の枠を越えて喧嘩でもしているのかと思うほどに、凄かったと思う。
結局最後は止めに入った夜蛾先生を無視して技を繰り出し続けるものだから、先生特性の可愛らしい呪骸達に先輩二人は囲まれボコボコに殴られていた。うん、こればっかりは自業自得だ。
二人とも何かあったのだろうか…やっぱりどう見ても二人の喧嘩の延長線にしか見えない体術の授業に少し困惑しつつも、隣にいた硝子先輩は何か知っているのか「見るからに面倒なことになってるな」と呆れたように呟いた。