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【呪術廻戦】抱きしめた分だけ君を想う

第7章 不器用な優しさ





「夏油先輩、昨日は助けて頂きありがとうございました!!」



夏油先輩を見上げていた顔をパッと下げ深々と頭を下げる。




あの時一瞬にして私達の前を横切り、特級呪霊を消し去る時に見えたのは間違いなく夏油先輩の呪霊だった。私達があんなにも苦戦し一撃すら与えられなかった相手を一瞬で…




「ギリギリ間に合ったとはいえ、君達に大怪我をさせてしまった事に変わりはないからね。お礼を言われるような事はしていないよ」




「でも先輩達が来なかったら私達確実に死んでました…」




その私の言葉に、今まで目尻を下げていた夏油先輩の顔が一瞬冷静な物へと変わる。それは普段の夏油先輩とは違い何処か少し冷たく…そしてピリリとした雰囲気を醸し出す。




「今までも、これからも…一体何人の仲間を私達は失って行くんだろうね。キリがないほどに溢れかえる呪いを祓い、たとえ仲間を失ってもまた次の日には何事も無かったように呪いを祓わなくてはいけない。これから先も私達はそんな世界で生きて行く」




なんて残酷で真っ黒な世界なのだろうか。



なんて虚しく情け無い世界なのだろうか。




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