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【呪術廻戦】抱きしめた分だけ君を想う

第7章 不器用な優しさ





「もう部屋に戻っても平気そうだな」




「やったぁ、硝子先輩ありがとうございます」




私の診察を終えた硝子先輩はカルテに書き込みながら椅子へと座り直すと、スラスラとボールペンを走らせる。




この部屋にいてもやる事がないどころか、何だか居心地が悪いから早く部屋に戻れるのは嬉しい。だけど、昨日はこの医務室にいたおかげで五条先輩が泊まってくれたのは間違いない。




「それより、ここに五条来てたでしょ?」




「へっ?」




あまりに突然のそんな硝子先輩の言葉に、思わず口を広げポカーンと見つめてしまう。だけれど硝子先輩の視線はカルテに向けられたままで、何ならその手は今でもスムーズにペンを走らせたままだ。




「え、あ…えっと…あの」




もっとうまい事言えただろうに!!と自分にツッコミをしながらも、明らかにどもる私に硝子先輩は何かリアクションを取る事も特になく、こちらへ視線を移すとゆるりと口角を持ち上げる。




「別に慌てる必要はないよ、ただの感だから。五条も案外こういう事するんだと思って」



「…こういうこと?」



「素直じゃ無い、面倒な女みたいなこと」




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