第7章 不器用な優しさ
…だけどまさか五条先輩が謝って来るとは思っていなかった。
だって、五条先輩からしたらこんな事どうでも良い出来事の一つに過ぎないと思ったからだ。
私は五条先輩のセフレで、きっと相手の女の人もそうだろう。雰囲気からして聞かなくてもわかる。
それは、私であろうがあの女の人であろうが立場は同じで、彼からしたら対して興味のない対象である事は変わりないと思ったからだ。
「…別に大した事は言われてない」
本当に、大したことなど言われていない。
ただ…ただただ私が五条先輩のセフレであるんだと…嫌というほどに突きつけられただけだ。
明らかに口を割る気のない私に気が付いたのだろう。五条先輩は軽く眉間に皺を寄せ小さく息を吐き出すと
「それ相応の責任は取らせたから」
「…え」
「もう二度と、そこら辺歩けねェくらいにはな」
まるでヤの付くお仕事をしている方々のようなその台詞に、思わず「ひぃっ」と声を上げてしまいそうになる。
怖!!怖すぎる!!それ相応の責任って何!?最強呪術師の言うそれ相応の責任ってどの程度のレベルなの?想像するだけで恐ろしい。