第7章 不器用な優しさ
まぁもちろんこのカッコイイ見た目だって、ドキドキするしカッコイイと思うし、イケメンだと思う。
だけどそれは私からしたら、やっぱり五条先輩を好きになったキッカケなどではなかった。
五条先輩の不器用な所が好きだ
五条先輩の分かりにくい優しさが好きだ
五条先輩の時々甘えたような声が好きだ
そして、
五条先輩の自信に満ちたその姿がたまらなく好きだ。
何にも屈する事なく目の前を真っ直ぐに見つめているその姿が、呪いというこのどうしようもない世界ですら私を明るく光の元へと連れて行ってくれるようで。私はそんな五条先輩に惹かれずにはいられなかった。
こんな人になりたいなという憧れは、いつしかこの人の力になりたいなという思いへと変わり、そして今ではこの人と一緒に強くなりたいなんて思ってしまっているほどに…私にとって五条先輩は憧れの呪術師であり、そして私の大好きな人なんだ。
だって私は知ってる。五条先輩が実は誰よりも努力していることを。実は誰よりも傷付き色々なことを考え最強になったことを。
周りの皆んなだって本当はそれを分かっているから五条先輩の性格は最悪だなどと言いながらも、実は誰よりも頼りにしているし心の奥底では尊敬すらしている。