第6章 二人の最強
自爆した事がバレているのにも驚だが、まさか五条先輩がそんな褒める様な言葉を言うとは少しも思っていなかったから、思わずポカーンと先輩の顔を見つめてしまう。
まぁ素直に褒めてくれていると言うよりは、斜め上から褒められた気分だが。それでも五条先輩のいつもの発言にしたら褒められているのは間違いない。
それは周りにいた皆んなも一緒だったのだろう。
雄ちゃんは大きく目を見開き、七ちゃんはドン引きしたような顔をして、夏油先輩はスンっと表情一つ変えることなく真顔でこちらを見つめていた。
五条先輩に初めて褒められた言葉がまさか「自爆」だとは思いもしなかったが。
だけど五条先輩はそんな彼らの雰囲気など微塵も気にする素振りはなく、そのままスタスタと黒塗りの車まで歩いて行くと後部座席を開けて私を中へと押し込んだ。
「早く高専戻って硝子に見てもらえ、肋骨折れてんだろ」
何故バレた…自爆に続いて肋骨が折れている事までも五条先輩にはお見通しらしい。恐るべし六眼…
「七海も乗りな」
夏油先輩に引きずられる様にして歩いて来た七ちゃんも、私の隣へと押し込まれるとバタンとドアが閉まった。
反対側からは雄ちゃんが乗り込んで来る。