第6章 二人の最強
「二人とも、無事で何よりだよ」
夏油先輩は心底安心した様にそう言葉を溢すと、軽く眉を垂れ下げその瞳を細めた。夏油先輩にも心配かけちゃったな…
「不覚ですが、助けに来て頂きありがとうございます」
「俺達が来なかったらお前ら死んでたぞ。感謝しろよ、感謝」
「わざわざ言って頂かなくても分かってます」
「七海…こんな状況でそんなツンツンしなくても。五条さんも夏油さんもすっ飛んで来てくれたんだよ」
「まぁ私達も、さすがに後輩を見捨てるのは後味悪いからね」
「こんな発言をされて心を込めた感謝が出来るとでも?」
先ほどまでは間違いなく暗いムードだったにも関わらず、いつの間にかいつものそんなからかってくるような調子の五条先輩と夏油先輩、そして相変わらずツンツンとした七ちゃんの雰囲気に思わずホッとして力が抜けて行く。
「どうした?」
私を抱きかかえた五条先輩は、そんな私に気がついたのかこちらを見下ろしそんな言葉をかけてくれる。
「あ、すいません平気です。何か安心したら力が抜けちゃって」
「自分と仲間に爆発くらわせるなんてな」
「えっ」
「まぁまぁ度胸あるじゃん。まぁそれでこんなヒデェ怪我してたら世話ないけど」