第6章 二人の最強
七ちゃんは私を強く抱きしめてくれていたけれど、あまりの爆風に互いの身体が離れそれぞれ身体が引きちぎれるような感覚の中ぶっ飛んだ。
「…グッ」とそんな喉の奥から鈍い声が漏れて、そして裂けるようなその痛みに強く顔を歪める。
ヤバイ、このまま着地を失敗したら死ぬかもしれない。身体の痛みとは裏腹に、頭の中ではやけにそんな事を冷静に考えていて、だからといってこんな状況で思考と身体がピッタリと噛み合わさる事などなくて、ただ飛ばされていく身を傷付かないよう必死に繋ぎ止める事で精一杯だった。
ドガガガガーーーーッッッ
多分私達の身体が吹っ飛ばされていた時間など、1秒にも満たなかったと思う。
それなのにも関わらず、大きな破裂音とともに見えた白。
そして見覚えのある大きな呪霊の影。
さらには真上から聞こえてきた
「ひっでェやられ様だな」
という何とも憎たらしい言葉にも関わらず、それは私を酷く安心さるには十分だった。いや、私を唯一安心させることの出来る声だったのは間違いない。