第6章 二人の最強
床に打ち付けた衝撃で、肋骨が折れる。
呼吸するだけでも肺が痛み、空気を取り込むだけで酷く腹が痛んだ。
「…ッ」
打ち付けた時の衝撃のせいか、目の前が少しボーッとするのを何とか堪え足に力を込めた。
遊ばれている、完全に。殺すか殺さないかそんな瀬戸際で遊ぶようにして痛めつけられている。恐らく、この特級呪霊が私達を本気で殺そうとしたならば、私達は今頃一瞬で死んでいただろう。
何度目が分からない爆発を起こした時だった、呪霊は一瞬にして私の目の前へと移動してくると、ニヤリと気持ち悪い笑みを作りそして大きく腕を広げる。
いつの間にか七ちゃんは私の腕を引き、そしてそんな私を庇うようにして抱き込む。次の瞬間には信じられないほどの呪力放出の圧と光が辺り一体を包み込んでいて、だけれど私はすぐさま鉄の球体を地面に打ち付けるようにして爆発を起こした。
呪霊のこの信じられないほどの強い呪力攻撃を喰らうくらいならば、一層のこと自分が起こした爆発と爆風で少しでも遠くまで飛ばされた方がマシだと思ったからだ。
そんな私の考えを、七ちゃんはすぐさま理解したように私を強く抱きしめそして二人同時に宙へと身体が投げ出される。