第6章 二人の最強
「キリがないですね」
「本当!どこからこんなに湧いて出てくるの?」
互いに背中合わせで呪霊を祓ってはいるが、どんどん溢れ出てくる低級呪霊。全く祓い終える気がしない。そもそも何かがおかしい…こんなただの廃ビルにここまでの数がいるなどそうはないはずだ…
ビルの下に大量の死体でも埋まっているのか、強い呪霊に吸い寄せられるようにして集まっているわけでもないならば、こんな風に低級が溢れかえるほど群がっているのは不自然だ。
もう一層のこと一度爆発を起こしてしまおうか。そんな事を思った時だった…
一体の呪霊がむせかえるほどの霧状の何かを吐き出した。ヤバイと思ったその瞬間には、七ちゃんが私の腕を引き身体を抱き寄せる。