第6章 二人の最強
私は腰に付けていた鎌形の呪具を取り外すとそれを右手で握りしめた。
私の術式は至ってシンプルだ。物に呪力を込めて爆発させる事が出来る。しかしながらその物の大きさや重さによって爆発の規模は変わり、己の呪力も搾り取られていく。
大きく重い物を爆発させればそこそこの爆発にはなるが、自身の呪力をごっそりと持っていかれるし、小さく軽い物では弱い爆発しか起こらない。
そのため右太腿に付けているポーチに、いくつかの鉄の塊で出来た5センチほどの玉を忍ばせ持ち歩いている。小さく扱いやすいが鉄で出来ているため重さはそれなりにある。重さのおかげで爆発もそれなりの威力ではあるものの、小さな物体であるが故に呪力をそこまで持っていかれる心配もないのだ。
まぁだからと言ってこの鉄の塊でそこらを爆破した場合、一軒家ほどの空間を一気に吹き飛ばすくらいは可能で、おいそれと使うわけにはいかない。
その為普段は爆発とこの鎌型の呪具を併用しているわけだ。