第6章 二人の最強
それから何度もカッコイイや可愛いを連呼する私に、夏油先輩はもう勘弁してくれと言わんばかりにさらに顔を赤く染めるものだから、さすがに可哀想になってにやにやと緩んでしまう顔を必死に共に戻した。
「それじゃあ、任務気を付けて行って来てね」
「はい!夏油先輩も」
前回同様やはり私をドアまで見送ってくれた夏油先輩は、外をキョロキョロと数度見渡した後ニッコリと笑みを作って私の頭をぽんぽんと優しく撫でた。
そんな夏油先輩につられるようにして私もニッコリと笑顔を返す。
「またおいで、いつでも良いから」
「いつでも?本当ですか?」
「あぁ、もちろんだよ。まぁ悟がいる時は厳しいと思うけれど」
それはそうだ、五条先輩にはバレるわけにいかないから。
「じゃあまた連絡しますね」
「うん、私も連絡するよ」
ヒラヒラと手を振り古びたドアをゆっくりと閉める。ドアが完全に閉まるまで夏油先輩は私へにこにこと笑顔を向けたまま手を振ってくれていて、何だかそれだけでやけに温かな気持ちになった。
何か私…どれだけ心が荒れんでたんだろう。夏油先輩のしてくれる事一つ一つがやけに嬉しいや。