第6章 二人の最強
だけれど何度見てもやっぱり目の前の夏油先輩の顔は真っ赤に染まっていて…
「もしかして…照れてますか?」
思わずぽろりと口から溢れたその言葉に、ベッドサイドへと座っていた夏油先輩は右手を口元へとパッと当ててすぐさま俯いた。
「照れていないよ…」
予想とは違うあまりに小さなその声に、思わずフッと小さく笑ってしまう。私へと視線を向ける事なく、切長な瞳を細め恥ずかしそうにしている夏油先輩はしばらくして私をチラリと一度見つめると、
「あまり見ないでくれ、今もの凄くカッコ悪いだろうから…」
と、夏油先輩らしくないその弱々しい声に、私はやっぱりそんな夏油先輩の意外な一面を見れた事が嬉しかった。
「ふふ、夏油先輩は、カッコ良くて可愛いかったんですね」
いつも落ち着いていて強くて真面目で優しくて、顔は誰もが認めるほどにイケメンでカッコ良くて。
それなのにこんなにも顔を真っ赤にして照れるなんて、可愛いと思ってしまうに決まってる。寝起きの雰囲気も何だかいつものキリっとした夏油先輩とは違いふにゃふにゃしていて可愛かったし。
今まで知らなかったけれど、夏油先輩は格好良さと可愛さを兼ね備えた人物だったらしい。