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【呪術廻戦】抱きしめた分だけ君を想う

第5章 抱きしめる意味




夏油先輩の思いは私とは大違いだ。




私は五条先輩の心が欲しくて欲しくてたまらなくて…本当は喉から手が出るほどに五条先輩の恋人という立場になりたくて仕方ない。




五条先輩に振られて離れる勇気がないがために、告白すら出来ない臆病者なのに…黒くて汚くてズルくて…そしてどこまでもどうしようもない人間なのに。




だけど夏油先輩は違う。



好きな人と両思いになれなくても、自分が異性として意識してもらえなかったとしても、好きな人を支えそばに居たいんだ。



それはまるで、陽だまりのようなそんな暖かさで好きな人を包み込んでいるようで…私の真っ黒な腹の中とは正反対だ。




好きな事を辞められない…そんな部分が私と似ていると夏油先輩は言ったけど、だけどそれは夏油先輩の綺麗な想いに対して私の腹黒い感情など比べる価値すらないように思えた。




「私を利用して良いって言ったけれど、それには少し語弊があったね。お互いを利用しよう。互いに辛い部分を埋め合えるようなそんな関係は、どうかな?」




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