第6章 5話 ☆あいつへの想い
さっきのえっちいことはどこへやら。
気付くとおままごとをしてからしばらく経っていた。
「おーい、そろそろご飯だから終われよ。」
「「はーい。」」
渋々…という感じではあったけれども2人ともご飯というワードに片付けをし始めた。
『たかちゃん、私もそろそろ帰るよ。ありがとね!』
お片付けを手伝いながら私も帰り支度を始めた。
「えー!すずちゃん、もう帰っちゃうのー!?」
「やだ!お泊まりするのー!!」
ルナマナちゃん達はぎゅーっと私の足にしがみつく。
「こら、やめろ。すず困ってるだろ?また、遊んでもらおうな。…迎えは来てるのか?」
2人を引き剥がしたたかちゃん。
『う、ん。近くで待ち合わせしてるんだ!2人もいることだし、私行けるから大丈夫!!帰ったら連絡入れるからさ!』
嘘ではあるが、こうでもしないと頑固なたかちゃんは諦めてくれない。
まぁ、後で誰かしらにメール入れれば大丈夫だろう。
「じゃあねぇ!また来てね!絶対だよー!!」
元気な声に見送られながら、家を出た。
そして、近くの公園まで来たのでメールをしようとしたら、黒い影が見えた。
『…ち、ふゆ?』
そこには千冬がいた。
「…誰かお迎えいねぇのかよ?場地さんは?」
『ううん、これから呼ぼうと思ってたよ。でも、千冬がいたからビックリしてる。』
ポカンとしていると、んっ!と手を差し出された。
握手かと思って手を握り返すと、真っ赤な顔をした千冬に怒られた。
「ちげぇよ!!」
『…あ、もしかして千冬が一緒に帰ってくれるってこと?』
顔を見ると合っていたようで、こくこくと頷いていた。
『ありがと!じゃあ帰ろ!』
出された手は繋ぐための手か!と思いぎゅっと握ることにした。
更に赤くなった千冬に気付かないまま。
2人で仲良く、マンションへと帰っていった。