第6章 5話 ☆あいつへの想い
大分前にたかちゃんに新しい特効服を作ってもらう約束をしたのだが、色々とゴタゴタしてしまい今日になった。
前のこともあり、行くときは誰かが一緒なのが決まりだ。
少し不服だけれども。
『たーかーちゃん!来たよー!!』
アパートの前で元気よく声を掛けると、やれやれといったたかちゃんがドアを開けてくれた。
「声がでけぇよ。…今日は八戒と来たんだな。八戒もよく頑張ってんな。」
無言の八戒をチラッと見たたかちゃん。
『迷惑なんてかけてないよ!いっぱいお話したもん!だよね!?』
ムッとなり、八戒を見ると顔を真っ赤にさせて頷いていた。
でも、女の子が苦手だから駄目だったのかもしれないとすぐ反省した。
『女の子苦手だったもんね、迷惑かけてごめんね?』
しょんぼりしているのを見た八戒はブンブンと首を振り、小さいながら否定してくれた。
「…そんなこと無い。俺も楽しかった…」
『!!八戒~!えへへ、ありがと!』
嬉しすぎて思わず、抱きついてしまうと更に固まる八戒。
「…はぁ。」
たかちゃんのため息の後にベリっと剥がされてしまった私。
『わわっ!!ごめん!つい、癖で…』
ワタワタしているとまた首を横に振っていた。
「だ、大丈夫…ビックリしただけ。」
「ほーんと、その癖控えとけよ?全く。八戒もありがとよ、送ってくれて。」
私はたかちゃんの方に手を引かれると、八戒はそそくさと帰っていった。
またやらかしてしまったのか、私は!
そんなこんなでたかちゃんのお家にお邪魔した。
『お邪魔しまーす!』
キョロキョロと見回すと誰も居なかった。
「あ、ルナマナは今公園行ってっからいねぇぞ?」
心の中も読めるようで、図星を突かれてしまった。
『えぇ…残念。久しぶりに遊びたかったのにぃ。』
頬を膨らませつつ、たかちゃんのお部屋に行った。
もちろん、こないだ入らなかった特効服を持って。