第5章 4話 強くなりたい。
『万次郎くん!!』
目を丸くして上を見上げると万次郎くんと目があった。
「ったく、走らなくてもエマは逃げねぇから。」
呆れつつも笑っていた。
『う、ん。』
距離の近さに少し、ドキドキしたけど離してもらった後にエマちゃんに会いに行った。
「すず!やば、似合ってるー!可愛いー!」
エマちゃんは目をキラキラさせていた。
『ありがと!えへへ、いつもと系統違うからソワソワしちゃうw』
「このままメイクもしてもいい!?うちやりたーい!」
ぐいぐいくるエマちゃんにそのままお任せすることにした。
座ってメイクしてもらっていると、話も盛り上がり恋ばなになった。
「ねー、うちもケンちゃんに結構アタックしてるのにさぁ。いつもマイキーとバイクばっかり!…好きな人いるのかな?」
少しメイクをしてくれてる手が震えるのを感じた。
『エマちゃん、大丈夫だよ。けんくんはね、きっとエマちゃんのこと好きだと思う。直接聞いたわけじゃないんだけど、エマちゃんと話してるときが一番柔らかくてフワフワしてる…んっと上手く言えないんだけど。一番幸せそう?っていうのかな、心配しなくてもいいんじゃないかな。』
「……ありがと。何かすずと話してるとこっちが恥ずかしくなってくる。」
薄目をあけて見ると、真っ赤な顔をしているのが見えた。
恋する乙女って感じ。可愛い。
思わず笑ってしまった声が聞こえてしまったみたいで、少し怒られたw
「エマばっかだからこっちだって問い詰めてやる!すずは誰か好きな人とかいないの!?」
すごい剣幕で顔を近づけるエマちゃん。
『圭ちゃんと千冬はいつもね助けてくれて頼もしいから好き!でね、たかちゃんとけんくんもお母さんみたいで好き!あとはぱーくん、ぺーくん、八戒くんも万次郎くんもお話いっぱいしてるから好き!でもね、エマちゃんは私と仲良くしてくれるし、お出かけも楽しいし時間忘れるくらいお話したいって思うの!だから大好き!!』
頭の中で皆のことを思い浮かべると思わずニコニコが止まらなくて一気に話してしまった。
あ、しまった!と思い、エマちゃんを見るとポカンと口を開けていた。
『あ、えと、いっぱい話したくて思わず喋っちゃった!ごめん、ビックリさせた…よね??』