第5章 4話 強くなりたい。
よし!
万次郎くんに最初は断られたものの、最後はOKしてかれた!
「簡単な撃退法だけどな。」
とりあえず、腕を捕まれたりした時の対処とか後ろから抱きつかれたりとかのことなど教えてくれた。
たまに万次郎くんとの距離が近くてドキドキしてしまう。
しばらく練習すると少しずつではあるけど出来るようになってきた。
『やったー!ね、ね!きちんと出来てたよね!?』
嬉しさのあまり跳び跳ねつつ聞くと、出来てたぜ!と万次郎くんも嬉しそうにしていた。
途中でエマちゃんもお茶とタオルを持ってきてくれて一緒にお話ししていた。
「ってか、すず汗すごいよ?うちの風呂入りなよ!」
『んー…申し訳ないしすぐ乾くはずだからだいじょうっくしゅん!』
あ…今のタイミングでくしゃみするなんて最悪だ。
「風邪引くから入りなよ。場地に何か文句言われんのやだし!」
万次郎くんからも言われたから、お言葉に甘えて入ることにした。
シャワーが終わって脱衣所に出ると、着てきたTシャツとズボンが無かった。
『あれ?着てきたやつがない?エーマーちゃーん!私の服無いーー!』
大きな声で向こう側に話しかけると洗濯してるから、うちの着てー!と返事が来た。
多分これであろう、大人なエマちゃんの服を着ることになった。
いつもと違う感じだから、何かそわそわする…
着替え終わったので脱衣所からでてエマちゃんを探しに行く。
「おわっ!ってすずか!いつもとは違ぇな、大人っぽい。いつものもいいけどこれも可愛いじゃん!」
目をキラキラさせる万次郎くんは本当に子どもみたいで可愛いんだよね!
本人にいうと怒られるから言いたくはないけど。
『ありがとう!あんまり着ない系統だけど意外と好きかもしれない!今度はこういう系も見ようかな?』
エマちゃんが貸してくれたのは黒いノースリーブのニットとふんわりしたスカートだった。
くるりと回ると動きに合わせてフワッと浮かぶスカートが可愛すぎる!
私の着ない系統の服は
『エマちゃんにお礼を言ってくる!』
誉められたことで嬉しくて急いで廊下を走ろうとしたら、滑ってしまった。
『っわあ!』
地面とちゅうをする前にぐいっと引っ張られ、暖かい胸にポスンっと包まれた。