第4章 3話 ☆どこの家だって兄妹喧嘩もする。
三ツ矢side
やってきたぺーとすずに目を向けると、気まずそうなぺーと目があった。
そして、すずの少し赤い目の下にも。
来る前に何かあったんだと思い、話しを聞こうとすると頑なに部室を出るのを拒んだ。
だからぺーだけを連れて話を聞くことにした。
あいつが泣くとこは久々だ。何かあったんだろう。
そう思いぺーからさっきまでの経緯を教えてもらった。
「お前は馬鹿か!そんなん怖ぇに決まってんだろ!何してんだ!?」
頭が真っ赤になっていくのを感じた。
そりゃあんなことを言われてされたら、素直なすずはああなるだろ!
確かにあいつは場地にも似たところがあって天然だが、とても真っ直ぐなやつだ。
だからこそ、ナンパも分からなかったのだろうけど。
ぺーの話で全てが繋がった。
ぺーもやらかしたと思ってるようで罰の悪い顔をして謝っていた。
「はぁ…分かった。ぺーの気持ちも分かる、がそれはアウトだろ。でも、助けてくれてありがとな。」
これ以上聞いても話が伸びるだけだし、早くあいつの所へ向かわないといけない。
俺はぺーと部室へと足早に戻っていった。
扉を開けると話を聞いたのか全部員がぺーを睨み付けて怒っていた。
「いや、本当に悪かったって。っていって!」
物も投げつけられていたが、すずが止めたことで攻撃が止んだ。
『ぺ、ぺーくん!あのね、えっとね…』
まだ目は赤いがすずはぺーのとこへ言って、話しかけていた。
『さっきはね、助けてくれてありがと。ぺーくんのおかげで分かったよ。』
呆気にとられつつもお礼を言われるとぺーは、おう…と不意を突かれたようで驚いていた。
しばらくすると終わりの時間になってきたので徐々に解散し始め、部室には俺とすずだけになった。