第4章 3話 ☆どこの家だって兄妹喧嘩もする。
私がノックしようとすると、意を決したぺーくんがガラッと家庭科室の扉を開けた。
すると、あからさまに怒ってる女の子とたかちゃんたちがいた。
いつものことなのか、ぺーくんがその子にたじたじになっているとたかちゃんが助け船を出してくれた。
「ごめん、安田さん。俺が呼んだんだ、ってすず、もしかして泣いた…?」
たかちゃんの発言にビックリして、さっきのことを思いだしまた涙が溢れそうになった。
それに気付いたたかちゃんは、ぺーくんをチラッと見た。
「すず、ぺーやん。ちょっと聞きたいことあるから向こうに行こうぜ。」
有無を言わせないたかちゃんに私たちは着いていくことになったが、私の足は止まったままだった。
『や、やだ。行かない!』
さっき着いていくことの怖さを知った私はしゃがみこんだ。
「おい、すずどうしちまったんだ?」
いつもとは違いすぎる様子にたかちゃんも疑問に感じてくれたみたいだ。
部活の女の子たちが手を止めて、近づいてきて心配して話しかけてくれた。
「ぺー、話しきかせてくれ。すずはちょっと待ってろ、すぐに戻るから。」
たかちゃんは断固として動かない私に何かあったんだと思い、ぺーくんだけを連れて出ていった。
『…たかちゃんも、そうなのかな…』
ポロッと涙が地面に落ちたのを感じた。
慌てた部員たちはハンカチを渡してくれ、何があったか聞いてくれた。
正直、話すかはすごく迷ったけれども親身になってくれる皆に駄目なとこは隠しながら話すことにした。
『あ、のね…』