第4章 3話 ☆どこの家だって兄妹喧嘩もする。
ある日の午後、たかちゃんにメールすると今来てもいいぞー!ときたのでたかちゃんの中学校へ行くことにした。
が、1人で行かせてくれない。
『もう、私だって中2なんだから1人でも行けるよ!場所だって分かる!』
今は断固拒否!と眉をひそめる兄と喧嘩している。
「何かあったら大変だろ!千冬でもいいから連れてけよ!」
『千冬は風邪で今日休みじゃん!圭ちゃんだって補修あるから行けないし!』
いつもなら私が折れたり、兄が折れてくれたりとしているのだがうんざりしすぎてイライラした。
「もし、ナンパとか喧嘩売られたらどーすんだよ!喧嘩出来ねぇだろ!!」
喧嘩出来ない、というのにプチンと頭にきてしまった。
『もう、怒ったから!圭ちゃんのバーカ!変な髪型!変な眼鏡!嫌い!知らないんだからね!』
怒った私は自分でも言うのなんだけど、兄並みにキレてしまうことがあるのだ。
「はぁ!?すず!どこ行くんだ、ぐはぁっ!((ボゴッ」
うるさい兄の左頬を思いっきり殴った。
そしてバックを持つと学校を出て、たかちゃんの中学校へ向かった。
しばらくすると私の頭も冷えてきたみたいだった。
兄に手を出してしまったのは久々。
思わず殴っちゃった右手を見ながらズーン…と心が沈んだ。
『圭ちゃんに後で謝らなきゃ…って、元はと言えば圭ちゃんが行かせてくれないのが悪いんじゃん。』
ブンブンと首をふって、反省した心を元に戻した。
だって私だって1人で行けるもん…
そう思いながら歩いていると、誰かが話しかけている声が聞こえた。
最初は分かんなくて、歩いてたら肩を叩かれたことに気付いた。
『?何かゴミでも付いてました?わざわざ教えて下さりありがとうございます!』
声掛けても気付かなかったから、直接とってくれたんだ。優しい人だなぁ…なんて思ってると違ったみたい。