屈強なおまわりさんにめちゃめちゃに甘やかされているのですが。
第2章 陽だまりと闇
「お待ちしておりました、ガント様。こちらへどうぞ。」
レストランは案の定ドレスコードがありそうな、シックかつ豪華な場所だった。
私たちは奥の窓側へ案内された。少し他の席とは違うように見えた。
席に座ると、横には一面の夜景。
「…わぁ!綺麗…」
思わず見惚れてしまう。
おそらくはしゃいでいる子供のような目の私を、ガントさんは優しく見守っていた。
料理は言わずもがな絶品だった。
ホワイトデーを意識しているというコースは、美しさの中に可愛らしさもある料理が並んだ。
普段あまりお酒は飲まないのだが、いいお酒は本当に美味しいらしく、ちょっと飲みすぎてしまった。
「メオちゃん、これ。」
コースも終わりに差し掛かり、デザートが運ばれてきた時。
ガントさんは私に、小さな箱を手渡した。
「ありがとう、ございます…!開けてもいいですか…?」
「モチロン(^^)」
その箱を開けてみると、二つのアクセサリーが入っていた。
一つはネックレス、一つはブレスレット。
オレンジの花のモチーフは共通で、ネックレスは可愛く、ブレスレットはシックに仕上がっている。
「メオちゃん、お揃いがいいって言ってたから。同じモチーフのアクセサリー注文したんだ。ネックレスがメオちゃんね。」
注文…?まさか…
「も、もしかして、"おーだーめいど"というヤツですか…??」
「うん、そうだけど…」
当たり前と言わんばかりの顔だ。
「め、めちゃめちゃカワイイです、このネックレス…」
「ホント?気に入ってくれてよかった(^^)」
「これ、つけてみても…?」
「モチロン。ボクがつけてあげるよ」
ガントさんがネックレスをつけてくれる。
花のモチーフの可愛らしさの中に、爽やかさも感じるデザインだ。
「メオちゃん、ボクにブレスレット、つけてくれない?左手に。」
「あ、はい!」
ガントさんにブレスレットをつける。
「どうかな?」
「めちゃいいです…よきです…」
お揃い、とは言ったけどこんなにオシャレなものをもらえるなんて。
「ガントさん、この花は…?」
「これはね。ガーベラ。メオちゃんにピッタリだと思ったんだ。」
オレンジのガーベラ、か…
本当に素敵だな…