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屈強なおまわりさんにめちゃめちゃに甘やかされているのですが。

第2章 陽だまりと闇


マンションの下まで降りると、例の高級車。前にはガントさんが立っていた。
「あ、メオちゃん!こっちこっち〜」
ニコニコしながら私を手招きする彼。
「お疲れ様です!ガントさん、あの…」
「…とりあえず乗って〜」
今、私のこと見て一瞬黙ったような…?
「あ、ありがとうございます。」
相変わらずの華麗なエスコートで、私は車に乗り込んだ。

「…」
後ろの席に2人で座る。
車内に沈黙が流れる。
似合ってるかな、大丈夫かな…?
ガントさん、何も言わないから何を考えているのか分からない。
目を合わせるのもちょっと緊張してしまい、私はずっと俯いていた。
「…メオちゃん。」
「ひゃいっ!」
思わず声が上ずる。
「…服、とっても似合ってるよ。しかも、服に合わせたメイクとか、髪までセットしてくれたんだ?」
流石おまわりさん。気づいてくれた…!
「は、はい…せっかくなのでできる限り着こなしたくて…こんな素敵な服をいただけて、とても嬉しかったです…!ありがとうございます…!」
お礼を言いながらも、なんだか恥ずかしくて、目を合わせられない。
「メオちゃん。こっち向いて?」
おそるおそる顔を合わせる。
「…本当にカワイイ。見とれてちゃって、しばらく黙っちゃった。」
優しく、まっすぐな瞳でそう言われ、すぐいつものゆでダコになる私。
いつもなら茶化してくるのに、今日はずっと優しい顔で見つめられる。
…そういうとこ、ズルいな。
「トニカク。プレゼント第一弾は大成功だね〜」
…ん?
「だ、第一弾、とは…?」
「ん?だってまだあげてないでしょ?メオちゃんのリクエスト。」
…え、これで終わりじゃないの?
「それにさ、初めてコイビトとして君に贈り物をするんだよ?ちょっとくらいゴウカにいかないと、ね。」
いやいや、今のままでも充分豪華なんですが…
自分の万年筆を思い出し、冷や汗をかいていると、車が止まった。
車が止まったのは、有名なホテル。
「今日はここでご飯ね。」
「…」
久しぶりに口をあんぐり。
いや、今まで連れて行ってもらったところも、オシャレで素敵なところだったけど!
なんかここは!ランクが違う気がする…!
それこそ、なんか普通の服じゃ入れないような…
…だからこの服か…!!!
「じゃあ行こうか?」
エスコートしてくれるガントさん。
肘にそっと掴まり、中に入る。
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