屈強なおまわりさんにめちゃめちゃに甘やかされているのですが。
第2章 陽だまりと闇
その後、デザートも美味しくいただき、レストランを後にした。
「ガントさん、本当に美味しかったです…!」
「そうだね、じゃあ、行こっか。」
…ん?行く?
「ど、どちらに…?」
「ここがどこか忘れたの?ホテルだよ?」
ガントさんが何かを見せてくる。
これは…カードキー…
「え、まさか…?」
「モチロン泊まるよ?」
モチロン?モチロンなの?え、私がおかしい?
ガントさんは、ビックリする私をひっぱるようにエレベーターに乗り込んだ。
階は最上階。
これ、いわゆる、"すいーと"なのでは…?
た、誕生日じゃあるまいし、いや誕生日でもやりすぎだけど…
カードキーを使いドアを開けたガントさん。
部屋に入ると、さっきの夜景が見えた。
最上階から見る夜景は、さっきの夜景がさらにグレードアップしたように感じた。
「…メオちゃん。ボクが何で服をプレゼントしたか、わかる?」
窓に張り付き、夜景に釘付けの私の後ろから、静かにそう言うガントさん。
「え、えっと、ここのドレスコード的に…かと…」
「まぁ、それもなくはないケド…」
ガントさんが近づいてくる。
「…男が女の人に服をプレゼントする時は、その服を脱がせたい時だよ」
そう耳元で囁かれる。
「ふぇっ!?」
ガントさんは驚く私を180度回し向かい合わせた後、ゆっくりとキスをした。
優しいそのキスは、次第に激しいものへと変わっていく。
「んぅ…んんっ…」
背中が窓にくっついているので逃げられない。
長いキスの後、やっと解放される。
「…ホントはね。今日をハジメテにするつもりだったんだよ。ガマン出来なかったケド。」
悪戯に笑うガントさん。
すっかり力が抜けてしまっている私を軽々とお姫様抱っこすると、ベッドに連れていく。
「今日は、ドロドロに優しくしようね。たっぷり甘やかして…ボクしか見えないようにしておかないと、ね…」
「が、ガントさ…」
深い深い口付けに、私の最後の言葉は吸い込まれていった。