屈強なおまわりさんにめちゃめちゃに甘やかされているのですが。
第2章 陽だまりと闇
「メオさんは何を探しているのだ?」
「あ、そうだ!ちょうどミツルギさんに手伝ってもらいたい案件なのです…!」
「…私で務まるだろうか…?」
「はいもちろん!なにとぞ!」
「…了解した。」
「ありがとうございます!…ミツルギさん、ガント局長はご存じですか?」
「あ、あぁ。知っているが」
「私、ガントさんに贈り物をしたくて。でも、男の人へのプレゼントって何がいいのかわからなくて。ミツルギさんは警察ではありませんが検事さんですし、仕事に使うものなど参考になるかと!」
ガントさんの名に少し驚いているようだった。
そりゃそうだ。目の前のちんちくりん少女が、警察局のトップに贈り物と言うのだから。
「メオさんは、局長の何なのだ?」
「え?」
「あ、いや、他意は無いのだ。…間柄によって、贈るものは変わると思い…」
どうやら真剣に考えてくれてるようだ。ありがとうございます、ミツルギさん…!
「え、えっと、その…こここコイビト、やらせてもらってて、ハイ…」
目を丸くするミツルギさん。
そうだよね?釣り合わないよね??知ってるよ!!!
「…恋人なのであれば、きっと何をもらっても局長はお喜びなさると思うが。」
「…」
うん、ヤな顔は絶対しないな。
「そうかもしれませんが…初めての贈り物なんです。ちょっと気合を入れたくて…」
「むぅ…」
考えるミツルギさん。
「…万年筆、などは如何だろうか。」
「万年筆…」
「局長は、物を書く仕事が多いはずだ。何本あっても困ることはないだろう。」
「でも、万年筆ってお高いんじゃ…」
「必ずしもいい物が高いとは限らない。」
ミツルギさん、なんだか頼もしい…本当に同い年…??
ミツルギさんに連れられて、たくさんの万年筆を見た。
ガントさんは自分のお気に入りをきっと持っているから、使い分けできるよう、軽いタイプにした。持ち運び特化というわけだ。
「ミツルギさん!ありがとうございましたっ!!」
「いや…私も君がいてくれて助かった。」
「いえ!こちらこそですホント…」
「…喜ばれるといいな。」
「はいっ!」
プレゼントの紙袋を優しく抱きしめて、わたしは家路についた。