屈強なおまわりさんにめちゃめちゃに甘やかされているのですが。
第2章 陽だまりと闇
「メオちゃん。何か欲しいもの、ある?」
「欲しいもの、ですかー?」
「うん。」
相変わらず私はガントさんの膝の上に乗せられている。
…この甘やかし方、止めるんじゃ無かったっけ…
「欲しいもの…そうですねぇ…」
私は、あまり物欲がある方ではないので、パッと思いつくものがない。
「…あっ」
「ん?思いついた?メオちゃん。」
「えぇっと…」
思いついたのは思いついたけど…
なんかガキくさいって思われそうな…
「笑わないから。言ってみて?」
私の思考を読んだかのように言うガントさん。
「その…お、お揃いのもの、何か欲しいなって…あ、そんな大それたものではなく!こう、小物とか、身につけられるものがお揃いだったら、嬉しいなって…」
「…」
反応がない。やっぱりガキくさいかな…?
「…わっ」
いきなり抱きしめられる。
「…ほんっとカワイイね。メオちゃんは。」
「え!そ、そうでしょうか…?」
不安から、上を向いてガントさんの顔を伺う。
「そういうところが好きだよ。」
目を見て真っ直ぐに言われたものだから、恥ずかしくなってつい目を逸らしてしまう。
「だーめ。こっち向いて?」
体をいつものごとくひょいと持ち上げられ、向かい合うように向きを変えられる。
ま、まさかこの流れは…
「だ、ダメですガントさん!ここ!仕事場!局長室!」
「ダイジョウブ。一応ボク、ここで一番エライから。」
また例のキスをされてしまえば、すぐに力が抜けてしまう。
そして最悪、そのまま…
局長室になってから、トモエさんとはオフィス共有じゃなくなったけど、それでも誰か入ってきたら…!
「…か、軽めのスキンシップで、お願いします…」
「…善処するよ(^^)」
あ、これは聞いてもらえないやつだ…