屈強なおまわりさんにめちゃめちゃに甘やかされているのですが。
第2章 陽だまりと闇
「…あれ?あの服はもしや。最近よく会うなぁ…」
その数日後、またもや大学の帰り道。例の検事さんと遭遇した。
何かの店をを睨むように見つめている。どうしたというのか。
なんとなく気になって、私も遠巻きに彼の視線の先を見つめる。
そこはカフェで、なにかのイベントをやっているらしい。
「アフタヌーンティー始めました…限定の紅茶…」
…ミツルギさん、紅茶好きなのかな?
別に入ったらいいのに。
よくみると、アフタヌーンティーは2人からと書いてある。なるほど。
「あ、あの、ミツルギさん…?」
「ム、また貴女か。」
「こんにちは!…あのもしかして、ここのアフタヌーンティー、興味あるんですか?」
「い、いや、そういうわけでは」
目が泳いでいる。ダテにガントさんのコイビトやってない。これは、ウソのサインだ。
確かに、この店のカワイイ雰囲気の中に、男の人は入りづらいのかも。でもめっちゃ行きたそうな顔だよ、コレ…
「あの、ミツルギさん。私紅茶すっごく好きで、ここ気になってたんですよ。でも2人からみたいで…もし、ミツルギさんがよかったら、付き合ってくれませんか?」
「ム…」
ちょっと明るい顔になった…気がする。
「あ、全然!無理はなさらず…!」
「いや…構わない。」
「あ、ありがとうございます!」
やっぱり少し嬉しそう。紅茶が好きなのはホントだし、同い年くらいの知り合いが増えるのは素直に嬉しかった。
「じゃあ、ミツルギさんも私と同い年なんですねー!」
「そうみたいだ。ヒトリナさん。」
「同い年なんだし、メオでいいですよ!」
「ム…メオ、さん。」
「それで行きましょ!笑」
少し口下手みたいだが、紅茶について聞くと熱く語ってくれるし、面白い人だった。
限定の紅茶にご満悦のようで、見ているこっちも嬉しくなった。
「今日はありがとうございました!ミツルギさん!また紅茶の話、聞かせてくださいねっ」
「私も…今日は楽しかった。また機会があれば、そのときはよろしく頼む。それでは失礼する。」
「はい!ではまた〜」
学校やバイト以外に友達ができちゃったな♪
…あ、ガントさんのこと、言うの忘れた。まぁいっか!