屈強なおまわりさんにめちゃめちゃに甘やかされているのですが。
第2章 陽だまりと闇
チャリンッ
「あ、すみません!落としましたよ!」
大学の帰り道、目の前の男の人がキーホルダーを落とした。
これは…ヤングに人気のトノサマン…?
「ム…、失礼した。」
「いえいえ!…あれ…?」
「…如何されたのだ?」
「いえ!なんでもありません!それでは!」
「あ、あぁ、失礼する。」
私は、やけにしかめっ面なこの人のことを、どこかで見たことがあるような…?
「あ!やっぱり!」
「…貴女は」
今日はガントさんは忙しいらしく、警察局での、恒例のお出迎えは無かった。
久しぶりに恥ずかしがらずに済むなぁって思っていると、この前の男の人に遭遇した。
…この豪華で独特な服装、やっぱり間違いなかったんだ!
「先日はどうも…貴女もここの人間だったのか。」
「あ、私はイッパンジンなんです!」
「ム、そうなのか?」
「はい!…えっと、貴方は、おまわりさん?ですか??」
「いや…私は御剣 怜侍。検事をしている。」
「そうなんですねー!私はヒトリナ メオです!」
「ヒトリナ、さん。」
「はい!あ、引き止めちゃってごめんなさい!またいつかの機会に!」
「あ、あぁ。」
ミツルギさん、ちょっと挙動不審だったな。いきなり話しかけて、悪いことしちゃったかな。