屈強なおまわりさんにめちゃめちゃに甘やかされているのですが。
第1章 馴れ初め
アオカゲは、今回の事件がきっかけで無事起訴され、捜査官の皆さんの努力のお陰でなんとか証拠品も揃い、処罰がなされたらしい。
私は今日も、警察病院で入院中。
腕切られただけなんだけど。包帯は巻いてるけどもう血も止まってるし。
第一、別に警察病院である必要、無いのでは。ハンニンじゃあるまいし。
もしかして、いやもしかしなくても、ガントさんの指示だろう。
「ガントさん。私、もう大丈夫です。退院します。」
「ダメだよー。そのキズ、結構深いんだよー?出血死したらたまったもんじゃないよ?ボクが。」
「ガントさん、このキズは絶対もう入院するほどではありません。こんな広い部屋、もっと重病患者のために使うべきです。」
「…もう。メオちゃん、わかってるんでしょ?」
「…」
そう、なぜ私がここに縛られているのか。
なんとなく見当はつく。
私の病室はなぜか最上階のVIPルーム的なところで、超広い。
そして目の前には、警察局。
ここの高さを考えると、きっとガントさんのオフィスからは、この部屋がバッチリ見える。
「仕事中もさ、窓を見たらメオちゃんが見えるし。ボクも好き放題に来れるし。」
ニコニコしてるけど、とんでもないこと言ってるなこの人。
「そんなずっと私を見ていなくても、私は消えたりしません!」
「…ボク、大切なものはずっと手元に置きたいタイプなんだよね。でも確かに、ここじゃメオちゃんに手は出せないもんね〜」
「てっ!?」
「あっはっは!相変わらず純粋でカワイイね〜!メオちゃんは。」
この人、もしかしなくても楽しんでるな…?
でもとにかく、無事退院させてもらえそうだ。かろうじて。