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屈強なおまわりさんにめちゃめちゃに甘やかされているのですが。

第1章 馴れ初め


「…お母さん」
退院後、まずはお母さんの墓参りにきた。
「…お母さん、私、大切な人ができました。貴女も知っている、そう、ガントさんです。…お母さんのハツコイの人、取っちゃってごめんなさい。」
そう、実は私はもう全て知っている。
ガントさんのオトモダチ、チョーさんから全て聞いたのだ。
もしかすると、ガントさんは、私にお母さんの姿を重ねているのかもしれない。
それでもいい。
私は、ガントさんが大切だから。
「今度は、ガントさんも連れてくるね。あ、でも嫉妬とかナシだからね!お母さん!」
何故母がガントさんから離れて、父の元へ行ったかはわからない。
でもお陰で私は産まれ、ガントさんと出会えた。
ありがとう、お母さん。

墓参りを済ませて、帰ろうとすると。
オレンジの人影が見えた。
何故か反射的に隠れてしまう。
「(…やっぱり、ガントさんだ…!)」
ガントさんが、お母さんの墓参りに来ている。
確かに今まで、誰のかわからないお線香があることがあったけど
ガントさん、だったんだ…
「…マイちゃん。君の大切な娘さん、ボクにください。…最初はね、君に重ねてたんだ。カノジョのこと。…でもね、ずっと一緒にいて気づいたんだ。カノジョは、ボクにとっての、太陽なんだ。他の誰でも…君でも、ダメなんだ。ボクにはメオだけ。ゴメンね。」
「…」
涙が溢れる。
私は、お母さんの代わりじゃないんだ。
…私を、見てくれてたんだ。
「あれ?メオちゃん?」
「あっ!が、ガントさん!」
慌てて涙を拭く。
「…お墓がキレイだから。もしかしてとは思ったケド。…盗み聞きは良くないねェ?」
悪戯に笑うガントさん。
「あ、え、えと、その…」
「ま、いいケドね。マイちゃんへの報告も済ませたし。もう何も気にすることはないよね?」
「え、それはどういう…んっ」
ガントさんと、唇が軽く重なる。
え、これって…
…き、きききききき…!?
「……!!!?!?!?!??」
「あっはっは!メオちゃん、ゆでダコみたい!」
「だだだだだだって!?!?」
「ホントにカワイイね。ボクの大切なお姫様?」
本当に、この人には敵わないな。
私たちは、心から笑いあった。

〜馴れ初め編 完〜
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