第8章 Rose
ローズの髪を指で梳き、目元にキスをする。
「愛してるわ、リヴァイ」
「あぁ、俺も。誰よりも、愛してる。ローズ」
けほっ、とローズは咳き込む。
震えが緩やかに消えていく。
ローズはぎゅっとリヴァイの手を握りしめた。
「ねぇ、リヴァイ」
「なんだ」
「薔薇の花言葉って、しってる?」
「当たり前だろ」
どれだけお前に教えられたと思ってやがる。
わざとふてぶてしく答えると、ローズはクスクスと肩を揺らして笑った。
ローズはよく、リヴァイに花の種類や花言葉について教えていた。どんな知識でもあればきっと役に立つから。
「1本の薔薇は“一目惚れ”」
「うん」
「10本の薔薇は“あなたは全てが完璧”」
「えぇ、」
「50本の薔薇は“恒久”」
「……すごいわ」
「108本の薔薇は“結婚してください”」
「──よろこんで」
そして、999本の薔薇は
「ローズ?」
ローズは眠っていた。どこまでも、穏やかな寝顔だった。