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999本の薔薇〈進撃の巨人〉

第7章 Odontoglossum



 ローズは紙袋に入った食材を左腕に抱え、右腕に鉢植えを持っていた。ふらふらと重さでおぼつかない足取りで家へ向かう。

 リヴァイの誕生日を知ってから、ローズは大慌てで夕食のメニューを変更した。簡単なものでいいかな、と思っていたがせっかくなら豪華にしたい。作るなら彼の好物がいい。好物といえばクリームシチューだ。あとは栗が練り込まれたふわふわのパン。
 

(……仲直り、できるかな)


 家のドアを開けると中は薄暗かった。まだリヴァイは帰っていないのだ。部屋は寒く、寂しい。
 ローズは悲しい気持ちを持て余しながらテーブルの上に袋と鉢植えを置いた。鉢植えの花はオトンドグロッサムという赤い花だった。これで少しは明るい気持ちになれるといいのだけれど。

 ローズは空気を入れ替えるように、エプロンの紐をぎゅっと結んだ。さぁ、リヴァイが帰ってくるまでに美味しいシチューを作ろう。






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