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999本の薔薇〈進撃の巨人〉

第4章 Petunia



 のそのそと寝間着に着替え、ベッドの中に潜り込む。

 どうやら夏風邪を引いてしまったらしい。季節の変わり目ごときにやられるとは思っていなかった。
 毛布を顎まで引っ張ってまた咳を出す。体は重いし、頭はガンガンと痛む。今朝よりかなり悪くなっているのがわかった。


「リヴァイ、入るよ」


 コンコンと控えめなノックが聞こえた。
 ん、と辛うじて声を出すと、トレイを持ったローズが部屋に入って来た。


「昨日のシチューにふやふやにしたパン入れたの。お腹空いてなくてもゆっくりでいいから食べてね」


 上半身を起こすのを手伝ってもらい、膝の上にトレイが乗る。
 そこにはほかほかと湯気の立つ良いにおいのシチューがあった。そのにおいを嗅ぐと、腹がちいさくきゅるると鳴った。

 その音を聞き、ローズはクスッと笑った。


「一人で食べられる?」

「いける」

「いつでも手伝うからね」

「いい」


 なぜか面白がっているようなローズに、リヴァイはむすっと言い返す。


「じゃあまた来るから。ちゃんと食べて寝とくんだよ?」

「……うん」


 瞬きをする。柔らかな手が頭に乗った。優しく優しく撫でられる。子ども扱いされているのはわかったが、それを振り払う気は起きなかった。















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