• テキストサイズ

強者と弱者は惹かれ合う【東リべ夢】〘柴大寿夢〙

第2章 珍カップル、有名になる




大寿君が顔を逸らす。

「あんまスカート上げんな……」

何だかんだ、大寿君は照れ屋さんだ。

私のパンツを見たところで、大した問題でもないだろうに。

「そんなに色気のあるパンツ履いてないから、見たところでどうって事……あたっ!」

「お前なぁ、一応俺は彼氏だぞ。どうって事なくねぇーだろーがっ!」

デコピンされてしまった。

「へへへ……」

彼氏。その言葉に、額の痛さより嬉しさが込み上げて、またニヤけてしまう。

「何笑ってやがんだ、ヘラヘラしやがって……意味分かんねぇ奴だな……」

「へへ、好きだよ」

「っ……るせぇっ……」

照れながらぶっきらぼうに放たれる言葉も、真っ赤な耳も愛おしくて胸がギュッとなる。

そっぽを向いた大寿君の頬に触れるだけのキスをすると、深く刻まれた眉間の皺もなくなる。

大寿君が起き上がってしまって、少し残念に思っている私の体がふわりと浮き上がり、大寿君の膝に横向きに座らされた。

大寿君の顔を見ようと顔を上げる。

あ、キスされる。

何て説明したらいいか分からないけど、そんな雰囲気のする目がこちらを見ている。

大きな手が頬を包み、その手に頬を擦り付けると、ゆっくり顔が近づく。

「ンっ……」

唇の柔らかい感触を確かめるみたいに、何度も唇を啄み、押し付ける。

「口、開けろ」

低い声が頭を痺れさせる。

口を開いて、言われてもないのに舌を出すと、フッと妖しい笑みの大寿君がその舌ごと食らいつく。

「ふっ、ぅんンっ、んっ、はぁ……」

「っ、何処でこんなエロいキス、覚えやがった……」

「ふぁっ……たぃっ、んぅ、ンんっ……」

唇から熱さが体全部に流れて、頭の芯がジンジンする。

これ以上したら、駄目な気がするのにやめられなくて、必死に大寿君の舌を追いかける。

大寿君とのキスに夢中になる中、耳に屋上の扉が開く音が届く。

「馬鹿じゃねー……げっ!」

「急に止まんなっ……ぅえっ!?」

数名の声がしたけれど、そちらを見る事は許されず、いつの間にかボタンの外されたシャツから覗く首筋に、大寿君の唇が這う。

「いつまで見てんだ、ああ? いいとこ邪魔すんじゃねぇよ……殺すぞ……」

入って来た人達に凄んだ迫力ある声すら、私には魅力しかなくて。
/ 38ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp