第5章 珍カップル、我が道をゆく
着ているトレーナーの裾をつまみながら、大寿の眉間に皺が寄る。
「柚葉だったからいいようなもんの、八戒だったらどうすんだ。弟とはいえ、他の男にこの丸出しの脚見せるつもりか?」
いまだ丸出しの脚を、いやらしい手つきで撫で上げる。
「んっ、くすぐったっ……」
「くすぐってぇって言う割りに、エロい声出てんじゃねぇかよ」
「そんなっ、撫で方……するっ、からぁ……」
そのまま服の中に手が入って、お尻を掴む。
大寿の匂いがする部屋で、ベッドで、大寿の匂いのする服と体に包まれて、トロトロに愛されて溶かされる。
この場所が、私の居場所だ。
「……好きだ……」
私の体の甘い疼きを呼び起こすのも、それを消してくれるのも、目の前で難しい顔のまま優しい声で愛を囁く、怖くて可愛い彼だけ。
「大寿……愛してるよ……」
私が言うと、驚いた後にふっと柔らかい笑顔を浮かべる大寿は、いつもみたいに頭をくしゃくしゃと撫でて、低い声で「愛してる」と返してくれる。
態度も言葉も、欲しいものを全部くれる貴方と、ずっと共に生きていきたいと思う。
[完]