第4章 柴大寿を尻に敷く女
放課後の静かな校舎に、陽が当たるのが綺麗で好きだ。
「大寿の家、行きたいな……」
特に誘っているとかではなく、ただ、大寿と一緒にいたいだけで他意はない。
「はぁ……無自覚なんだったら、相当だな、お前……」
「甘えてるんですよ、彼氏に」
「フッ……そうかよ」
くしゃりと髪を撫で、大寿は立ち上がる。
体を起こして、思いっきり伸びをした。
「泊まんなら、買いもんしてくか?」
「うん」
ベッドから降りて立ち上がると、寝過ぎたせいか少しフラついてしまう。
素早く受け止めてくれる大寿を見上げ、お礼を言うとまた眉間に皺が刻まれる。
「マジでお前大丈夫かよ」
「うん、寝過ぎでちょっと立ちくらみしただけだから、大丈夫。心配してくれてる?」
「当たり前だろーが。自分の女の心配して、悪ぃかよ……」
照れながらも不機嫌な顔をして言う。
柴大寿の女という立場は、何だか物凄いんだろうなと想像するけど、あまりピンと来なくて苦笑する。
「悪くないよ、ありがとう、嬉しい」
見上げながら笑うと、少し頬を赤くして私の頭に手を置いてふわりと笑った。
頭を撫でられるのは嫌いじゃないけど、少し子供扱いをされているみたいで、何とも微妙だ。
「大寿って、頭撫でるの好きなの?」
保健室を出て廊下を歩きながら疑問をぶつけると、無意識だったのか、不思議そうな顔をして私を見る。
「あー……嫌だったか?」
「ううん。ただ、ちょっと子供扱いされてるみたいな気分にはなるかな」
「ガキなんて思ってたら、エロい事なんてしねぇよ」
そう言った大寿の手が、私を引き寄せてお尻をいやらしく撫でる。
「んっ……何か、その触り方、ゃだ……」
「感じてんのか?」
触られる度に体がゾクゾクして、芯から熱くなるようでぶるりと震える。
「そのやらしい顔、いいねぇ……血が滾るってもんだ……」
「ぁ……今はっ、ンっ、まだダメっ……」
「あん? んなエロい顔して、説得力ねぇよ」
抱き寄せられ、首筋に唇が吸い付いてくる。それに抵抗を試みるけど、力が上手く入らなくて意味がない。
首筋がチリリと痛んだ。そこを舐め上げ、噛みつかれて声が出る。
「ぃ、あぁっ……」
「あー、クソっ……こっち来い」
手を引かれるままについて行く。