第12章 爆豪日和?!
(はぇ〜…一軒家…めっちゃ綺麗な家だなぁ〜)
と考えている間に爆豪は玄関の鍵を開けた。
「さっさと中入れ」
爆豪に急かされるまま家の中に入れてもらう。
「お、お邪魔しま〜す」
家の中はシーンと静まり返り人の気配を感じられない。背後から爆豪がガチャッと鍵を閉める音が聞こえた。
「……?爆豪の両親は仕事行ってるの?」
「違ぇ、んな事よりさっさとあがれや。スリッパ使うなら使え」
「あ、ありがとう」
一心は靴を脱ぎ整えスリッパを履かせてもらった。爆豪は一心の横を通りさっさと来いと言った。
案内してくれたのは綺麗なリビング
「荷物適当に置け、上着は寄越せハンガーに掛ける」
「あ、うんありがとう」
(…至れり尽くせり)
上着を爆豪に渡すと丁寧にハンガーに掛けてくれた。その次に自分の上着もハンガーに掛けた後洗面所に案内される。
「爆豪の家凄い綺麗だな〜」
「当たり前だろ」
手を洗いながら一心はそう言い、ふかふかのタオルで手を拭いた。
「両親今日何時ぐらいに帰って来るんだ?挨拶しなきゃな」
「…今日は帰ってこねぇよ、帰ってくるとしても明日の夕方ぐらいだろな」
「そっか…会えなかったらよろしく言っといてくれ。手土産も口に合うか分かんねぇけど」
「言わねぇし、泊まりの事も言ってねぇ」
「え”?!そうだったのか?!」
一心が目を丸くしていると、手を拭き終わった爆豪が一心の腰にスルリと腕を回しガッチリとホールドした。
「…自分の今の立場理解したかよ、このクソ無防備が」
爆豪の目つきはいつもと違い鋭い眼差しだった。一心は瞳を揺らしながらコクッと小さく頷き爆豪をギュッと抱きしめた。それと共に爆豪の腕にも力が込められる。
(爆豪の気持ち…痛いほど理解出来た…俺も同じだから…)
「……一心」
爆豪はそう言いながら顔を一心の身体に埋めた。
一心はゆっくりと優しく爆豪の頭に触れると爆豪の身体がピクッと震えるのを感じた。
(爆豪はこういうの言う奴じゃないから…俺がしっかりしないと)
そう思いながら一心は口を開いた