第12章 爆豪日和?!
「……爆豪も両親帰ってこないと寂しいって思うんだな、俺も一人でいると寂しいって時々思うんだ!俺が来たからには寂しくさせないから!もしも寂しくて寝れないなら子守唄も歌うし!全然布団一緒でも構わないからな!」
「……??……は??」
フフンッと自信満々に胸を張りよしよしと爆豪の頭を撫でる一心に頭をフリーズさせながらもさっき一心が言った言葉を何度もループさせ怒りがワナワナと溢れ出る。
「テッッッッッメェはぜんっっっぜん分かってねぇじゃねぇか!!クッッッソが!!さっさと離せや暑苦しい!!!」
(あっっっるぇええええ…すんごい目を吊り上げてる…すんごい怒ってる…あっるぇ〜…思ったのと違うというかなんというか…あっるぇ〜…えぇ〜??言い過ぎて地雷踏んだ??)
そんな事を考えながら一心は爆豪を解放すると、怒りながら爆豪はリビングに戻って行った。
放心状態になりながらも一心も爆豪をフラフラと追いかけた。
先に戻った爆豪はコップを二つ棚から取り出していた。
「なんか飲みてぇもんあんのか!?無自覚野郎が!」
(いや、むしろ何があるのか聞きたいんだけど怒りまくってて怖くて聞けないわけで…)
「ば、爆豪と同じやつで」
そう言うと爆豪は今日で何回目かわからない舌打ちをしながらテキパキと作業を進めている。怒らせた罪悪感と焦りで心臓がバクバクとする一心の前にトンッとコップが置かれた。その音にビクッとしながらも爆豪にお礼を言うとまたしても舌打ちをされ、向かいの席にドスッと爆豪は腰を下ろした。
コップからは優しい良い匂いの湯気が漂い、頂きますと言い一心はフーフーと冷ましながら一口飲んでみた。
「……!!この紅茶美味しい!!」
一心からパァ!っと笑顔が溢れる。
「当たり前だろが、俺が不味いもん出すかボケ」
もう一口もう一口と飲んでは美味しい〜と笑みを浮かべる一心の顔をまじまじと見つめる爆豪…もう既に先程のブチ切れ表情は完全に無くなっていた。
一心は「そうだ!」と言いながら自身のリュックから様々な物を取り出し、机にドサッと持ってくる。
「これは両親に手土産ね!それとこれは爆豪が好きそうな辛い物シリーズとそれと…いやこれはいいか」
丁寧にラッピングしたそれを机から取り上げようとした所で爆豪が素早くそれを回収する。一心は突然の爆豪の素早い動きにビクッと身体を震わせた