第12章 爆豪日和?!
「そっか、そうだよね!ごめんねちょっと不安というかそういうのがあったから…さっき身体痛かったよねごめんね」
「いーよいーよ、俺は気にしてないから!」
そう言うと出久は満足したのか一心から離れた。
「ね、ねぇ…一心君…その、ね、えっと…ちょっとしゃがんで?」
「了解、出久の仰せのままに〜」
そう言いながら一心がしゃがんだ所で出久は片手で一心の頬を触り反対の頬に自身の唇を近付けた。
柔らかな感触が頬から伝わり、一心は驚きのあまり何も言えず身動きが取れなくなっていた。
出久はゆっくり一心から離れ顔を真っ赤にさせた。
「……。そ、そそそそれじゃまた月曜日!!」
出久は早口でそう言うと走り去って行ってしまった。
取り残された一心はポカーンとしながら、自分の頬に触れる。
(……今の…何だったんだ??
……。…とりあえず出久が元気になってくれたしまぁいっか!)
考えてもわからないと早急に諦め爆豪に連絡を取り、校舎前で落ち合うことにした。
…………………。
現在爆豪の地元に行くための電車待ち
「フンフンフ〜ン♪」
「…チッ、そんなに鼻歌歌ってクソデクと一緒にいれて楽しかったかよ」
「えぇ〜?!いや俺は今から爆豪の家に行くの楽しみだなぁ〜ってだけで」
爆豪はこのように現在ご機嫌斜めである。
(自分をほっといて出久の所に行きやがって…って所かなぁ〜…)
一心は爆豪の頭に手を置きよしよしと撫でてやると、ポカーンとした顔をする爆豪だったがいつものように段々と目が吊り上がり怒りだした。
「何撫でてんだよどけろや!!」
(そう言ってる割には…なんだろ、嬉しそうに聞こえるというかなんというか…俺の手を振り払わないんだな…)
というものの本人がやめろと言うので一心は素直に手をどけるとチッと舌打ちをし、何か言いたげに目を逸らした。……ので、もう一度撫でてやると
「何また撫でとんだ!!」
とまたキレつつも手を振り払わないわけで…気にせず撫で続けようと一心は思った。一向に辞めない一心に何を言うわけでもなくただグルルルと唸っている。
「さっきは放って行ってごめんな」
その言葉を聞いた爆豪はまた舌打ちをしつつも唸ることを辞め、そっぽを向きながら電車が来るまで素直に撫でられ続けた。