第12章 爆豪日和?!
そして待ちに待った土曜日がやってきた!
授業が終わるのと同時に手早く準備を整え、みんなにまた月曜日と伝えながら爆豪の席にやってきた。
…訳なのだが一心は今爆豪の後ろの席の出久に身体を腕でガッシリホールドされていた。そして一心を離せとばかりに一心の両腕を爆豪が思いっきり引っ張っていた。
「離せや!!クソナード!!死ね!!」
「かっちゃんの方こそ離してよ!!」
「あ゛あ゛?!」
「ぬ”ぐ”ご”わ”ぁ”あ”あ”あ”!”!”ね”ぇ”待”っ”て”!”!”二”人”と”も”待”っ”て”?”!”ね”ぇ”!”!”今”俺”の”体”ど”う”な”っ”て”る”?”!”ね”ぇ”?”!”」
一心の叫びに「大丈夫だちゃんと繋がってる〜」「頑張れ〜」と声が聞こえる。この様子に見かねた飯田と切島が助けに来てくれた事で一心は五体満足でこの状況を切り抜けることが出来た。
一心はフラフラになりながらも二人にお礼を言いつつ出久に向き直る
「それでどうした出久?」
出久の表情が暗い
「……ちょっとだけ、来て…欲しくて。ごめん我儘言ってるのは勿論分かってるんだけど…」
「うん、分かったいいよ」
爆豪は不機嫌な顔をしながらもチッと舌打ちをしそれ以上は何も言わなかった。
……………。
一心と出久は人気のない所にやってきた。ヒーロー科以外の生徒は既に下校しているためとても静かだ
「出久どうした?なんかすっげぇ寂しいって感じが伝わってきたけど…ハグする?」
一心は冗談でガバッと両腕を広げたつもりだったが、出久は勢いよく飛び込んできた。少し動揺しながらも一心は出久を抱きしめよしよしと頭を撫でてやる。
「……ごめん一心君」
「大丈夫大丈夫! 出久が満足するまでこうしとくから」
「……ありがとう」
出久の身体から力が抜けるのがわかった。その様子にホッとしながら一心は出久に記憶が無いと言った日の事と今の状態を少し重ねていた。
「ねぇ…今日かっちゃんと遊ぶの?」
「うん」
一心は出久に爆豪の家に泊まる事などは話してはいない。特に話す理由もないからだ。
「そう、なんだ…。…その……一心君はさ僕が遊びに今度誘っても迷惑じゃない…?」
「迷惑なんて思うわけないだろ?むしろ誘ってくれてありがとうだし!あ、でも予定入ってたらごめん!ってなるけど日にちずらして遊びに行こうってなる」