第2章 試験日当日!!
「…………は?」
ツリ目の少年は目を丸くさせパチパチと瞬きし、再び真剣な顔つきに戻る。
一心は冗談言うな!!と彼が怒り出すかと思ったが、それはなかった。
「……そうか」
ただそれだけだった。
「……深くは聞かないんだな」
「テメェが試験に受かったら根掘り葉掘り聞きまくってやるよ……」
そう言うと静かに少年は歩き出した。
(……名前だけ聞いとけばよかったな)
一心がそう心の中で呟くと
「……爆豪勝己。次忘れたらぶっ殺す」
彼はこちらを振り向かずにそう答えた。
その後ろ姿に一心はパチクリと目を瞬きさせる。
(もしかして……こいつツンデレ?!?!良い奴?!?!ツンデレの良い奴?!?!)
パァァァァァと満面の笑みを浮かべる一心は音もたてずに走ると後ろからガバッと抱きついた。爆豪は驚いた顔を浮かべると直ぐにあの怒り狂った顔を見せる。
「テメェ、離れろ!! 殺すぞ!!」
爆豪は一心をベリッと自分から剥がす。
「まぁまぁまぁそう邪険にすんなって!! 途中まで一緒に帰ろうぜ!!なぁいいだろ〜爆豪!爆豪!ばくごぉおおおおおう!!」
「ダァアアアア!!勝手にしろ!! ハゲ!!」
「ハゲじゃないけどな!!
ちなみに俺の名前は言葉一心!!よろしくな!!」
「わぁっとるわ!! テメェが一方的に忘れてるだけじゃボケ!! よろしくも何も試験テメェが落ちたらさよならじゃボケ!!」
「うわ!! 自分は落ちてないって言い方!? 爆豪が落ちてないなら俺も落ちてないな!」
「俺は落ちてねぇんだよ決定事項じゃボケコラ!!テメェはむしろ落ちとけ!!」
「あっはははは!! 爆豪お前面白いな!」
グワァアアア!!とまた怒りの顔を浮かべながら爆豪の手から爆破を繰り返した。
……その後、爆豪と強制的に連絡先を交換した。
それから……帰り道の出来事
「爆豪!!」
爆豪の肩に腕を回す一心
「テメェはさっきからベタベ」
カシャ
「……カシャ?」
爆豪がキョトンとしながら一心が持ってるスマホのカメラを見たところで再びカメラのボタンを押す。
カシャ
「テメェ!!さっきからなに撮ってんだコラ!!」
「ん?思い出!!また忘れないようにさ!!」
そう言い満面の笑顔を浮かべる一心に爆豪は舌打ちをする。
「……勝手にしろ」
と言った