第9章 今日の終わりは……
「…………。」
言葉少年は穏やかな表情を浮かべながらベッドで寝ていたけれど、布団が飛んでいきシャツが思いっきりめくれ引き締まったお腹が剥き出しになっている。
(…………The 無防備…)
クククッと笑うのを堪え流石にお腹を壊すだろうと思い布団を掛けてあげようとした……んだけど、油断した。
ガシッと腕を捕まれ、引っ張られる。
「……ちょっ?!」
バランスが崩れ、ベッドに倒れ込むも言葉少年を押し潰さないように必死で両脚と片腕で身体を支える
が、言葉少年は両腕と両脚でギュッと横腹の傷を避け私の身体に巻き付いてきた。私はググッと堪えようとしたが力尽き、ボフッと言葉少年に身を預けた。
「……。はぁ……君、起きてるだろ……」
モゾモゾと顔を上げてみると黄丹色の目とバッチリ目が合った。けれど寝起きなのかウトウトと目を閉じては開けを繰り返している。
(さっきまで本当に寝てた様だけど…)
「起こしてしまったかな…」
「…………。」
(返答なし、という事は寝ぼけてるのかな…寝ぼけている言葉少年は中々に可愛い…が!たちも悪い…わけで!!)
言葉少年は抱き締めたまま私の頭を優しく優しく撫でる。
(ぐぅ…!これが朝覚えてないのだなら尚更たちが悪い……!!わけで……!!寝ぼけた言葉少年は本当に……!!……どうしようもなく!!
た”ち”が”悪”い”!!
風呂の後のこれは!!私はいくら今日試練を課せられれば良いんだ!!泣かせてしまった罰か?!)
身体に熱が帯びて行くのを感じる
(まずいまずいまずい…!!今日は特に…!!)
モゾモゾと動き必死に後退しようとするも上手くいかずシャツがめくれ、腹同士が素のまま引っ付く。
言葉少年の片方の手が自然と素肌に触れ。スルスルと移動する
「……ッ!!」
ゾクゾクゾクッと背筋に何かが這うような感覚に耐えかねて再び言葉少年に突っ伏し、荒くなった息を整える。
(これはこれで……息を吸うと言葉少年の匂いが辛いわけで…どちらにせよもう辛すぎる…)
素肌に触れる感覚がたまらなくどうしようもなくオールマイトを苦しめる。
ヘロヘロになっていると突然グルンッと身体が回り、右半身にマットレスが当たる
(……お
………。完全に抱き枕状態……)
脚の巻き付きは解除され、腕の力も緩くなった。