第8章 ついに来た戦闘訓練!!後編
「オールマイト先生!もう話し終わった?出久貰っていい??」
((もら?!?!))
二人がビクッとした所でオールマイトは平常心を取り繕いながら
「あ、あぁ!構わないとも!!」
と言ったので、遠慮なく出久を連れて行くことにした一心。
「んじゃ、駐輪場まで出久お見送りして!ノートのお返しって事で」
「も、モモモモ勿論!!」
ニヒヒッと笑いながら言うと出久はショートした頭を必死に働かせながらブンブンと頷き、オールマイトにバイバイと言ってから出久と一心は歩き出した。
「こ、今度ちゃんとお返させてね!」
「いいよいいよ! お返しするなら飯田に頼むわ、俺はこれで充分!もう今日メンタルバキバキなんだよ…爆豪には置いてかれるし…」
「か、かっちゃん…?!?!そ、そそそうなんだ!!」
そんな会話を聞きながらオールマイトは一心の背中に声をかける。
「言葉少年…!!……今日の事だが」
「いいよ、もう何も思ってないからさ!」
ニヒヒッと笑いながらオールマイトに振り返りそう言うとヒラヒラと手を振りながら再び歩き出した。出久は何度か一心とオールマイトの方にチラチラと視線を向けるも、一心は出久の頭を撫でながらニコッと笑って見せた。
一人ポツリと佇むオールマイトはチクチクと胸が痛んだ気がした。
(……。何も思ってない……か…
君は何も思ってなくとも
私の心はそうじゃないみたいだ)
オールマイトはゆっくりと校舎に歩き出した。
…………………。
駐輪場にて……
「わぁ〜!これ一心君の自転車なんだね!!靴も黒と金色だし好きなの?!」
「まぁ、うん……これが平和の色なんだよ俺にとって……」
出久は頭にハテナを浮かべているが、一心は理由を答えずに自転車に鍵を刺す。
「リカバリーガール明日も来いって?」
「あ!うん、僕の体力のあれで…」
「そっか〜…」
そう言いながら少し間を開け出久に向き直ると、一心は出久と視線の高さが合うように体を曲げた。
「なぁ、出久……怪我が早く治るおまじないしてやろっか?」
「……へ?!お、おおおまじない?!」
(やばい…!!口から心臓飛び出しそう!!)
出久の心臓が少し早くなる、ドキマギとしながら首を縦に振った。
「んじゃ、目……閉じて」
出久は言われるがままギュッとこれでもかと目を瞑った